エボラ出血熱についての世界各国での感染拡大の報道が、連日のように報道されています。不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで由井寅子会長にエボラ出血熱へのホメオパシーでの対処法についてインタビューしました。
Q:エボラ出血熱にはどのレメディーがよいでしょうか?
由井:ホメオパシーの健康相談のケーステイクと同じように、TBR(※注1)で分析してみましょう。(由井会長は、まずエボラ出血熱の典型的な症状について情報を集めるようにスタッフに指示し、エボラ出血熱の主要な症状とレメディーの症状から、TBRのルーブリック(番号)を絞り込み、一方でハーネマンのマテリア・メディカからエボラ出血熱の症状に合ったレメディーをピックアップする)。
TBRについては、カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー(シーエイチホム CHhom)の学生やホメオパスはお馴染みですが、The Boenninghausen’s Repertoryのそれぞれの単語の頭文字をとってTBRと言い、ハーネマン達の正確性のあるプルービング(実証実験結果)を元にハーネマン自身がまとめた『純粋マテリアメディア』や『慢性病』のマテリアメディアから、ハーネマンの弟子のボーニングハンセンが忠実にレパートリー化したものです。コンピューターでレパートライゼーション(最同種レメディーを導く)します。その結果をそのままお伝えしましょう。
(TBRソフトを使いながら、レメディーの絞り込みとホメオパシー的処方作成の作業を行う)
由井:ハーネマンの『純粋マテリア・メディカ』、と『慢性病マテリア・メディカ』の中で、出血しやすい傾向に関する症状は523もあり、最も多くの出血しやすい傾向に関する症状をもつレメディーは、Merc-sol. (マークソル/水銀)、次にCur. (キュラーレ/矢毒ともなるフジウツギ)であり、次にSec. (スケイリー/麦角)、Sulph.(ソーファー/硫黄)、Phos. (フォスフォラス/燐)、Sep.(シーピア/イカスミ)などの順となっています。
出血しやすい傾向に関する症状を多くもっているだけでなく、上記のTBRのルーブリックとなっているエボラ出血熱の典型的な症状をカバーするものをTBRソフトでレパートライゼーションすると、Rhus-t. (ラストックス/ツタウルシ)、Sulph. (ソーファー /硫黄)、Ars.(アーセニカム/ヒ素)、Sil.(シリカ/ケイ素)、Bell. (ベラドーナ/セイヨウハシリドコロ)となりました。(下図)
すべての組織は血液から造られ、血液から栄養をもらい生きています。エボラが自然由来のウイルスか、人工的に作られたウイルスなのかは分かりませんが、血液破壊を起こす感染症のようですので、それを食い止めるためにどうするかが焦点となるでしょう。
私のZENメソッド(※2)による標準処方のアイデアを提案してみましょう。ハーネマンも流行病の全体像をとらえ標準処方のアイデアを提案し成功しています。
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<随時>
血液、脾臓をサポートするコンビネーションサポートチンクチャーのいずれかの中に、Merc. (マーキュリー 水銀)、Cur. (キュラーレ 矢毒)、Sec. (スケイリー 麦角)、Phos.(フォスフォラス 燐)を各6Cで入れる。
<朝>
Sulph. (ソーファー/硫黄)LM1 または Sil. (シリカ/ケイ素)LM1
<昼>
Carc. (カシノシン/乳癌)LM2 またはSyph. (スフィライナム/梅毒) LM2
<夜>
Ars. (アーセニカム/ヒ素)LM3、またはRhus-t. (ラストックス/ツタウルシ)LM3
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Q:ありがとうございます。また、ホメオパシーを学ぶ者としては、病理からこのようにホメオパシー的処方を導きだす過程は大変勉強になりました。
エボラ出血熱が発生しているアフリカでもホメオパシーは代替療法として広く使われています。その実践経験に基づくものなのかわかりませんが、インターネットサイトではエボラ出血熱に合う推奨のレメディーの情報が目立ちます。よくあげられているレメディーはCrotalus Horridus (クロタラスホリダス/ガラガラヘビ蛇毒/省略形:Crot-h.)、Echinesia Angustifolia(エキネシア/省略形:Echi.)、Bothrops(ボスロプス/ヨーロッパクサリヘビの蛇毒/省略形:Both.)、Lachesis(ラカシス/南米ブッシュマスターの蛇毒/省略形:Lach.)、Secale(スケイリー/ライ麦の麦角/省略形:Sec.)、Mercury Corrosivus.(マークコー/塩化第二水銀/省略形:Merc.-c)、Phosphorus(フォスフォラス/燐/省略形:Phos.)と蛇毒のレメディーをはじめ、出血熱という病名から想起しやすいレメディーとなっています。蛇毒と言えば、沖縄のハブ(蛇毒)の日本オリジナルのレメディーHabuを由井会長が開発していますが、ハブ毒は出血毒でありまさにエボラ出血熱に合う可能性があります。
ところで、昨年12月に明治神宮会館で開催された第14回JPHMAコングレスでは、キューバ国立フィンレイ研究所のGustavo Bracho(グスタホ・ブラチョ博士)がホメオパシー的予防につき発表しました。理想的な医療と自然農を実現している国としてキューバは世界的に注目されていますが、実は80%以上の国民がホメオパシーを利用しています。ブラチョ博士のコングレスの発表では、今日本で問題となっているデング熱をはじめ、A型肝炎、レプトスピラ症のいずれでも、レメディーを使うと、症状が悪化せず、回復が早くなり、入院期間も減少。発症率自体も減少するため、ホメオパシーによって、感染症を予防・治療できることが具体的な数値によって示されました。
キューバでは、2007年11月、大洪水によって230万人が被災。被災者の衛生環境の悪化から、レプトスピラ症と呼ばれる感染症が蔓延する恐れがありました。そこで、フィンレン研究所は、レプトスピラ症予防のため、キューバ東部の3か所で、ホメオパシーのレメディーの集団投与を行い、劇的な罹患率減少および入院患者の死亡率減少という成果をあげました。パンデミックに対しては、有効で安全性の確立したワクチンが確立できていない段階では、多額な費用もかからず、熱帯病にて有効性が確認されているホメオパシーのレメディー(ノゾース)を使っての感染症の予防や治療を提案しているホメオパスの方もおられます。第14回JPHMAコングレスでの発表の模様はこちらのリンクからご覧ください。
http://jphma.org/congress2013/2013/12/2013127-1.html
また、パンデミックでは病気に加え、パニックという社会混乱により被害が拡大するリスクが懸念されるため、危機や危険についての正確な情報を把握して対処することが大切です。新型インフルエンザ騒ぎの最中に出版された『それでもあなたは新型インフルエンザワクチンを打ちますか?』で由井会長は人々に冷静な対応を求めました。今読み返してみても、大切な内容が書かれています。まだお読みになってない方はぜひお読みください。また、英語ができる方は日本ではなかなか報道されない様々なエボラ出血熱について情報がインターネットには書かれていますので、情報に振り回されないためにも、しっかりと調べられることをお勧めします。
今回のホメオパシー新聞の続編では、日本では、少しなじみの薄いレメディー、蛇毒のクロタラスホリダス、ボスロプスに加え、エキネシア(レメディーでなく、ハーブやマザーチンクチャーとしてとってもよい)のレメディーの症状像を解説するホメオパシーのマテリアメディカを『ロータス・マテリア・メディカ』(ロビン・マーフィー著)や、ユブラジ・シャーマの『スピリチュアル・マテリア・メディカ』より、一部抜粋して紹介したいと思います。
なお、第15回JPHMAコングレスは、「今こそ有事に備える 食、心、命 すべてにホメオパシー」をテーマに、10月18日、19日に東京・二重橋の東商ホールにて開催されます。由井会長をはじめ、全国で活躍するホメオパスたちが、病気や災害、心の問題、農業、動物、環境の面などでの、ホメオパシーの成果事例を発表するホメオパシー年間最大の行事で一般にも開放して行われます。お得な早割は9月末まで、ぜひこの機会に、いのちを大切にするホメオパシーの最前線を体験してみてください。
▼第15回JPHMAコングレス(詳細、お申込み)
http://jphma.org/congress2014/
※1:TBR
プルービング(実証)、として、レメディーをとったその後の反応を観察し、レメディーごとにまとめたものをマテリアメディカと言います、一方、そのレメディーごとにまとめられたマテリアメディカを、症状から検索できるようにまとめ直したものがレパートリーで、ハーネマンの弟子、ボーニンハンセンが、ハーネマンのプルービング(実証)の膨大な観察記録を忠実にまとめたものです。後世様々なレパートリーが出されますが、伝聞や個人の思いこみなどが混じった精度の低いレパートリーが溢れる中、ハーネマンの観察結果だけから分類作業を行い、最も信頼できるレパートリーとされるのが、TBRと呼ばれるボーニンハンセンのレパートリーです。
今から250年以上前に生まれたホメオパシー医学の創始者ドイツ人医師ハーネマンは、生前、膨大な数のレメディーのプルービングも行った結果の観察記録を『純粋マテリアメディア』『慢性病マテリアメディカ』として書き遺しています。また、ハーネマンの生きた時代は、細菌やウイルスが発見される以前の時代であり、原子やアボガドロ数といった分野も後の発見で明らかになってくる時代であったため、プルービングでは、まだ毒物が物質として存在する希釈度合いでも行われており、微量の毒物を入れた際の観察結果も多く書き遺されているため、これほど貴重な実験観察資料はありません。例えば、水銀のレメディーをプルービングでとっても、超微量に薄められているため潰瘍ができることはありませんが、ハーネマンは低い希釈度合いで実際に原物質のあるレベルでプルービングしたため、記録では水銀をとると潰瘍が起こったり髪の毛が抜けおちたりという症状がマテリアメディカには記載されています。ホメオパシーは同種療法ですから、この実験結果から、水銀のレメディーをとることが潰瘍という症状に合っていることがわかります。実際に潰瘍のある方が水銀のレメディーをとると、その症状が収まっていくのです。このようなハーネマンが実証実験を行った結果の正確な観察記録が後世のホメオパシーの発展にも大きく貢献しました。
※2 ZENメソッド
YOUTUBEでの由井会長の講演会の映像を御参考ください。
▼Zen(禅) ホメオパシー JPHMA由井会長(Torako Yui) 東京講演 2012/03
http://www.youtube.com/watch?v=iSPCy_7uaQ0&list=PL-tyRmluxcTxhi8hNAZJd-abwk3hZL45X
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