予防接種と人権<br />副反応の責任は誰がとるのか<br />情報開示とインフォームドコンセントの必要性

接種を指導された親御さんが悩んだ挙句とった選択

JPHMA(日本ホメオパシー医学協会)への問合わせで最近目立つのが、予防接種に関しての対応に関するものであり、予防接種を強要されるがどのように対応すればよいのか、参考となる情報、資料はないか等の問い合わせである。以下の「予防接種推奨にかかる承認書」は、ホメオパシーとらのこ会の会員のある父兄の方が、お子さんに対し、ある医師から予防接種を強要された事に疑問を抱き、この医師に向けて悩んだ末にこの承認書を自ら作成し提示したものである。

Syoudaku

父兄は医師に、強制するのなら副反応が起こった時の健康リスクについての賠償をすべてその医師に求める承認書を作成し、サインを求めたところ、この医師はサインができなかったのである。そして、その後、予防接種を勧めることは無かった。

過去の予防接種被害禍の経験から、1994年に予防接種法が改正され、(1)麻疹(はしか)、(2)百日咳、(3)ジフテリア、(4)破傷風、(5)風疹(三日ばしか)、(6)BCG(結核のワクチン)、(7)日本脳炎、(8)ポリオ(急性灰白髄炎) などそれまでは”義務接種”、つまり国の強制だったものが、「接種するよう努めなければならない」という”責務接種”(任意接種)に切り替えられた。これは、20年間にわたって各地で争われてきた予防接種被害のすべての集団訴訟で国が全面敗訴したことと、当時行われている予防接種の多くが必要性・有効性・安全性の面において疑わしいことが知られるようになってきたためである。

任意接種では、義務接種とは違い、健康被害の責任を国や製薬会社が負うのではなく、個人が負うことになる。本来は、重篤な副反応などの説明もきっちり行われ、インフォームドコンセントがきちんとされてから初めて接種がなされるべきである。任意接種なのに、あたかも行政、医療機関をあげて、義務接種であるかのように、インフォームドコンセントもしっかりなされずに、予防接種が勧められているというこの問題を上記の承認書は、浮き彫りにしている。義務接種でなければ、するかどうかは、受ける側の自由裁量にまかされている。しかしながら、この点がしっかりと国民に知らされていないし、知っている方も多くない。その意味で国民は自分で自分の健康を家族の健康を守るためにも、そのことをよく認識しておく必要がある。

定期健診時に接種を指導された方が提出した書類

定期健診時などでの予防接種の強制がなされたケースある。この件については、別の方から以下のような書式の案をいただいた。

▼以下は、定期健康診断の際、担当医師(保健師)から、法定の予防接種を受けていない旨の指摘を受けたばかりではなく、その理由の開示を求められ、今後、予防接種を受けるように指導された。そういうケースに遭遇した方が医師の回答を求めた文章である。

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入学時などに予防接種の接種証明等を求められるケース

次に、公立大学などへの入学時などに予防接種をしていることの証明が必要とされるようなケースに関する問い合わせもよくある。行政サイドや学校サイドの方に、予防接種のリスクについて、正確な情報を持ち合わせていない方も多いため、ざまざまな書籍やインターネットのリンクを紹介したり、きっちりと話合いをすることで解決する場合もある。行政サイドや学校サイドとの軋轢に悩んでいる方もいらっしゃると思うので、予防接種の強制に関して、憲法との関係を考察してみると、公立大学が、禁忌者・信念や宗教上の理念に基づいて接種を拒否している人間の入学を拒否することは、日本国憲法19条、20条、26条第1項に違反するものと思われる。
なぜなら、日本国憲法19条では「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」また、日本国憲法第20条「信教の自由」さらには日本国憲法第26条第1項 「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」などと記述されており、予防接種を拒否しているからと言って、ひとしく教育を受ける権利を侵すことはできないと考えられるからである。

過去の予防接種副反応の被害から何を学んだのか

日本では、たかだか20年前、1980~90年代、予防接種による多くの健康被害が起きた。MMRワクチンのケースでは、数百万人に一人も発症しないとされた無菌性髄膜炎の副反応(副作用)の被害がTVで流されたことを契機に、4年間で800人に一人も発生するレベルとなり、二次感染まで起こり、1993年4月に接種中止となったようである。一方、海外ではこの日本製のワクチンでの副反応の報告が出てすぐに接種を中止する国が相次いだが、日本では初期の副反応報告を軽視し、ワクチンの在庫がはけるまで接種が続けられた結果、被害が拡大した。結局、行政まかせにしていて被害に苦しむのはいつも国民の側である。

繰り返しとなるが、予防接種法が1994年に改正され予防接種は、義務接種から、任意接種へと変更された。義務接種だと行政と製薬会社が予防接種被害の賠償責任を全面的に負わなければならないが、一方、任意だと、リスクを知って受けた国民の側に被害の責任があることになる。しかし任意接種になったことはほとんど報道されずに、まるで予防接種を受けていないことが、社会悪のような扱いをされ、医師や保険師から、インフォームドコンセントもなしに、接種を強要する事例が後をたたない。ただ、このように、予防接種を強要にしておきながら、最初に紹介した承認書にサインしなかった医師と同じく、強制した側が、副反応で大きな障害がでた場合にも、その責任をとることはない。

今春成立した新型インフルエンザ特措法の問題点

一方で、今春、新型インフルエンザ特措法なる法律が成立した。安全性の確認できないワクチンでも新型インフルエンザ流行時パンデミック宣言が出された場合など、住民への強制予防接種が可能になる法律であり、基本的人権、生存権、出版、集会の自由など日本国憲法に保障されたいくつもの人権に大きな制限を加えることができる。そのため、日本弁護士連合会、そして浅田次郎さんが会長をつとめる日本ペンクラブなどが反対を表明する声明を発表している。

▼日本弁護士連合会 新型インフルエンザ等対策特別措置法案に反対する会長声明
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120322.html

▼日本ペンクラブ 新型インフルエンザ対応に関し政府の取り組みの見直しを求める声明
http://www.japanpen.or.jp/statement/20122012/post_403.html (掲載終了)

現在、中国での鳥インフルエンザ流行の情報が連日のように報道されている。

前回の新型インフルエンザパンデミック騒ぎの際を振り返ってみよう。日本ではほとんど報道されなかったが、EU議会などでも問題となった。インターネット英文ニュースメディアのNatural Newsが2010年6月10日号に「暴かれたWHOスキャンダル-アドヴァイザーたちがH1N1製造会社からキックバックを受け取っていた(WHO scandal exposed: Advisors received kickbacks from H1N1 vaccine manufacturers)」という記事があり、その詳細が書かれていますので英語が読める方は是非内容を確認してほしい。
http://www.naturalnews.com/028936_WHO_vaccines.html

これはインフルエンザとワクチンの流行について、インフルエンザパンデミックという騒ぎが、製薬会社のマーケティングにより、つくりだされているのではないかなど、ワクチンとは何かを深く考えさせられた事例である。誰がパンデミックで儲けているのかをお金の流れを知ることは真実に近づく重要な鍵かもしれない。

さらに、前回の新型インフルエンザ騒ぎの際、日本では報道されなかったが、もう1つ大きな問題が起こっていた。なぜか2009年の流行時用には既に備蓄されていた米国の製薬会社の鳥インフルエンザ用ワクチンが、鳥インフルエンザそのものに汚染されており、動物を使った実験で数千匹のフェレットが死亡した事故が起こった。もしパンデミック時にこれらのワクチンが誤って接種されていたら、受けた人が次から次へ倒れていくという大惨事につながった。このケースは『それでもあなたは新型インフルエンザワクチンを打ちますか』の中でも紹介されているがワクチンの安全性が確認されていない段階で、強制接種を行うことがいかに危険なリスクを伴うのかを考えさせられる事例である

新型インフルエンザ特措法運用時には、ワクチンの安全性の確認されないまま、強制接種がされないように、十分なリスク管理がなされなければならないことが明らである。そしてワクチンだけが、インフルエンザに有効という宣伝も事実でない。予防の分野も含めホメオパシーなどさまざまな対処策がある。逆にインフルエンザワクチンがほとんど感染防止には有効性がないことなどは前橋レポートなどでも明らかになっている。

2009年の新型インフルエンザ流行時に海外から緊急輸入されたワクチンは、結局間に合わず、また、国内製ワクチンが優先的に使用された。そのため、大きな税金の無駄遣いとなったが、かなりのワクチンが廃棄された。(その場合、下水も汚染する)。また、輸入ワクチンには、湾岸戦争症候群での自己免疫疾患の原因ともされ、今回の子宮頚がんワクチン被害でも問題となっている動物性スクワレンがアジュバンドとして入っていたのである。

予防接種と人権

取り返しのつかない大規模な健康被害・薬害につながる可能性があるため、ワクチンについては、実際に予防接種の実施に踏み切る前に、人体への影響など長期的、十分な安全確認試験が行われなければならないと考える。これは抗がん剤、遺伝子組換食品などと共通する課題である。

また、ワクチン添付文書などにある副反応情報や被害情報などを含めたインフォームドコンセントが、接種される本人、保護者と間で十分に行われていないことが問題である。

このように安全性が保証されていず、頻度の大小はあれ重篤な副反応を引き起こすワクチンを強制的に接種しようとすることは人権に関わる問題であり、合意なしに強制接種することは、日本国憲法第11条で保証された基本的人権、日本国憲法19条「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」、日本国憲法第20条「信教の自由」、そして、憲法第25条1項の生存権 (すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する)をも侵害する。感染の防止など公共の福祉を優先するから仕方がないとする主張も慎重になされるべきである。

予防接種の有効性自体にも疑問があり、新型インフルエンザワクチンのパンデミック疑惑など、過去の多くの予防接種実施がワクチンメーカーのマーケティングキャンペーンと密接につながっている裏事情を知ると、人権に制限をもたらすインフル特措法などの強制接種はワクチンの安全性がしっかり確認され、有効性も確認されない限り、安易な運用がなされてはならないと考える。

また、医師や保健所など家族でない第三者が、虐待に当たるという誤解に基づく判断で児童相談所に通報され、親子が強制的にはなされるという悲劇が繰り返されている。ホメオパシーで対処しているというだけで、また任意である予防接種を受けないことが「虐待」だと通報され、人権の大きく制限される児童相談所(施設)にて予防接種が強制されたり、抗精神薬漬けにされるというような人権侵害が繰り返されることがあってはならない。これらの人権侵害の再発防止には、人権侵害が繰り返し発生しやすい環境にある精神病院や児童相談所などでの人権侵害実態についての徹底した情報公開と、再発防止に向けた運用改善のための市民や第三者機関によるチェック体制を含めた仕組みづくりも急がれる。

■コラム アーカイブ・トピックス

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<「予防接種推奨にかかる承認書」が掲載されたホメオパシージャーナル2007年6月号表紙より>

アインシュタインと湯川秀樹博士の親交の中で、世界を代表する2人の物理学者が核兵器なき平和な世界をめざし手を組んで平和運動を行った。その湯川秀樹博士ゆかりの地で、2007年から由井寅子(JPHMA会長)の提唱でJPHMAの春恒例のシンポジウムが始まった。体内におけるもう1つの戦争とも言われる薬害、予防接種の問題を解決し、真の平和の時代の招来を願って、「第1回 ホメオパシー国際シンポジウム」は「予防接種は果たして有効か」をテーマに京都市左京区の京大会館で開催された。ちょうどJPHMAジャーナル表紙には、シンポジウムでの発表者の写真も掲載されている。ゲストには、『予防接種は果たして有効か』の英国ホメオパスのトレバー・ガン氏、全国予防接種被害者の会事務局長を担当するなど日本の予防接種被害者救済運動や訴訟を先頭に立って引っ張ってこられた藤井俊介氏(すでに鬼籍に入る)、福岡インフルエンザネットワークの松田政登氏が発表した。そして、大会長として、『予防接種トンデモ論』の由井寅子会長も発表を行った。発達障害と予防接種の関係をテーマにした第2回なども印象的な大会となった。その京都シンポジウムが今年で5年目。昨年から『日本の農業と環境シンポジウム』として、ワクチンなどの医原病に比べ、遺伝子組換などの種や食原病や自然型農業もテーマに加わり、農業生産法人 日本豊受自然農株式会社と共催での開催となった。
(▼今年3月の模様)
http://toyouke.com/kyoto2013/index.html target=”_blank”

【参考リンク】
2013年5月5日 JPHMA発行ホメオパシー新聞「子宮頸がん予防ワクチン被害の問題」
https://news.jphma.org/2013/05/post-ab06.html